鋼鉄の処女/ IRON MAIDEN
アイアン・メイデン。直訳すると「鋼鉄の処女」という恐ろしい名前のヘヴィメタルバンドのファースト。
80 年の発表だから20年も前の作品だが、今聞いてもとても新鮮である。おれのアイアン・メイデンとの初体験は「頭脳改革(Peace of Mind)」だから思い入れはそちらの方が強いが、このアルバムも同じくらい好き。あと「魔力の刻印」ね。
このアルバムはまだヘヴィメタルが市民権を得ていない頃の作品で、バンド名からジャケット、サウンドまでが過激な存在だった。
中学生だったおれはZEPPELINとパープルが好きだったのだが、モーターヘッドとアイアン・メイデンの邪悪さにどんどん惹かれていって、いつの間にか虜になっていた。
ポール・ディアノのボーカルはメタル特有のハイトーンボーカルではなく、どちらかというとパンクライクなシャウトを多用したボーカルスタイルでパンク好きのおれの耳には心地良かった。
一曲目の「プローラー」のギターソロに入る前なんかはプログレっぽかったり、ツインリードギターのユニゾンは聴いていて鳥肌がたってくる。
あとは「ランニング・フリー」。これは全然メタルっぽくない曲なのだが、メイデンの青臭さがプンプン匂ってきて非常にカッコイイ!ドラムから始まるイントロとノるのに丁度良いスピードは自然に身体がリズムをとってしまう。あとは日本人にも分かりやすい歌詞。ライブではオーディエンスも大合唱しそう。
そしてラストを締めくくる「アイアン・メイデン」。スピーディーで畳みかけるようなボーカルは初期アイアン・メイデン史上に残る名曲だと思う。 
アイアン・メイデンはファンには非常に支持を得ているバンドだが、いわゆるヒットチャートを騒がせるような曲がないため新しいリスナーを取り込みづらいバンドかもしれない。しかし、末永くがんばって欲しいバンドである。
    アイアン・メイデン=中世ヨーロッパで使用された女性用の拷問器具

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